イタリアンをベースとしながらも、デンマークで学んだ発酵と熟成がテーマのお料理がいただけます。
Nazさん。追分に2020年9月にオープンしてから鈴木シェフのつくるお料理はあっという間に人気となり、予約がとれないレストランに。鈴木シェフは、長野県佐久市のジンガラ、ナポリのプレジデンテ、デンマークのnoma、kadeauで経験を積む。イタリアンをベースとしながらも、デンマークで学んだ発酵と熟成がテーマのお料理がいただけます。
アミューズは発酵カリフラワーと寒ブリにキャビア。発酵させたカリフラワーの下にカリフラワーのソース、熟成させたブリ、そこにキャビアをのせて、発酵させたカリフラワーを乾燥させたパウダーがかけられています。もう一皿目から、その手の込みよう、繊細さ、美味しさに舌を巻きます。
二皿目はデンマークのスモーブローをアレンジしたお料理。表面に焦がしバターを塗ってカリッと焼いた黒パンに熟成短黒和牛のタルタルに発酵させたわさびの茎、ストラッキーノチーズ、ルバーブ。その上に熟成コンテチーズ、わさびの葉を乾燥させたパウダーがかかっています。手づかみでいただきます。いろいろな味、風味が混ざり合って、もちろん美味しくて、これがメインでもいいと思いました。
シグネチャーメニューの熟成信州サーモンと発酵カブ、発酵トマトのソース。サーモンは大きなサーモンをじっくり火入れしたものの美味しいところだけ。発酵トマトのソースにはざくろの香りをまとわせ、イチジクの葉の香りのオイルとともにいただきます。洋食なんだけど、どこか和食を思わせる美味しさ。信州、和食、北欧料理が見事に一皿に融合されています。
次はセルリアックのお料理。セルリアックを薄くスライスしてオーブンで焼いたものとセルリアックのアイス。セルリアックはすましバターをかけながらじっくり焼き上げられ、バターの風味たっぷりで、まるでパイ生地のよう。セルリアックのアイスと薄くスライスしたパイナップルを乾燥させて発酵パイナップルのエキスで戻したもののシート、ハーブのオイル、カカオニブともにいただくと、デザートのような、お料理のような、野菜の美味しさを楽しめます。
魚料理は鯉。熟成させた鯉を骨切りして皮目をパリッと焼き上げています。熟成させることによって鯉の泥臭さは一切なく、本当にこれは鯉?と思える一品。皮目も鯉ならではの食感で、鈴木シェフの手にかかると鯉もこんなに可能性があるのかと思える一皿です。ソースはバルサミコに発酵させたポルチーニのエキス、発酵させたポルチーニのオイル。上には熱々の油をかけた難波ネギ。中華のイメージ。
リゾットは牡蠣とセリのリゾット。牡蠣の風味が口いっぱいにひろがります。セリの爽やかな香りとともに、シャキシャキの食感が風味を増してくれます。
メインは熟成させた鹿。いままで食べた鹿で一番美味しかった。熟成のなせる技だそう。柔らかく、かといってしっかりと食感もあり、獣臭さはまったくなく、うまみが凝縮されています。
パスタは定番のローズマリーを練りこんだ手打ちの生パスタ、短黒和牛のラグーと。手打ちならではの食感、ローズマリーの香りがスッと鼻に抜けます。短黒和牛のラグーはしっかりとしたコクがありながらもさっぱりとした味わい。パスタの茹で時間はなんと4、5秒だそうです。
デザートは松ヤニのアイス。上には松ぼっくりがのっています。松ヤニとか松ぼっくりって食べられるの?北欧では普通に食べているそうです。松の香りが鼻に抜けて爽やかなデザート。
この日もNazワールドを満喫しました。
ごちそうさまでした。
-The軽井沢(ザ軽井沢グルメ)
電話番号: 0267-46-8840
住所: 軽井沢町追分134-3
平均予算: 30,000円~40,000円
営業: LUNCH 11:30~ DINNER 18:30~ 完全予約制
定休日: 水曜日・第3木曜日